信州上田での生活も一年になりました。そこで今回は、この一年を振り返って、信州上田の良いところをいくつかご紹介したいと思います。
最初に紹介させていただくのは、上田電鉄別所線です。上田駅から別所温泉までの11.6kmを走っている電車で、「丸窓電車」でおなじみの方もいらっしゃることと思います。このコラムでも、何度か写真を掲載しています。もともとは別所温泉への旅行客のためのものでしたが、現在は、沿線にある長野大学の学生さんも利用しています。その昔、映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」で寅さんやさくらが乗っていましたし、最近では、「サマーウォーズ」にも登場しました。
上田駅を電車が発車する時には、映画「サマーウォーズ」の主題歌、山下達郎の「僕らの夏の夢」が流れます。達郎ファンの私には、これだけでも十分うれしいのですが、別所線でのひと時は、ほんとうに贅沢な時間です。時間がゆっくり流れていくのが体感できるような、そんなひと時を過ごすことができます。都会暮らしに疲れた時や、一人旅にはおススメです。生島足島神社のある下之郷駅を過ぎると、信州の鎌倉、塩田です。塩田町駅からは、無言館や前山寺などを回るシャトルバスが出ています。無言館には、戦没画学生の遺作が展示されています。中野駅から舞田駅あたりでは、塩田平や里山の景色が一望できます。先日も、別所温泉のお客様でしょうか、車窓からの風景をカメラに収めていました。終点の別所温泉駅では、昭和レトロな駅舎が迎えてくれます。
次にご紹介したいのは、上田の市街地にある「上田映劇」です。上田駅から駅前の通りをまっすぐのぼり、海野町の手前の路地を入って少し行ったところにあります。「上田映劇」は、映画「青天の霹靂」のロケが行われた所です。「上田映劇」では、ロケが行われた浅草「雷門ホール」の姿を残しています。「青天の霹靂」に主演した大泉洋さんは、テレビやラジオで信州上田を絶賛しています。You Tubeでは、「大泉洋 上田」で検索することができます。
信州上田は、映画のロケ地としても有名なところで、先ほど紹介した「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」や「サマーウォーズ」をはじめ、「博士の愛した数式」や中居正広さんが主演した「私は貝になりたい」など、今までに150本もの映画のロケが行われたそうです。※)また、今年で18回になる「うえだ城下町映画祭」がこの11月29日(土)、30日(日)に行われます。「青天の霹靂」の監督で、出演もされた劇団ひとりさんがゲストとして来るそうです。
昨年、上田に移って間もない頃、武石の新そば祭りに行きました。山あいにも関わらず、たくさんの人が集まっていました。武石で採れたそば粉で打った新そばは、それはおいしくて、一時間近く並んだかいがありました。戸隠そばや善光寺そばは全国的にも有名ですが、上田のそばもほんとうにおいしいですよ。池波正太郎さんが愛した「刀屋」や、もりが多い「草笛」など、お昼時は、まず行列を覚悟する必要があります。個人的には、青木線沿いの「車屋」の、かき揚げが乗ったざるそばがおすすめです。今年も武石はもちろん、信州の各地で新そばまつりが行われます。なお、今年の武石のそば祭りは、11月15日(土)、16日(日)の両日に開催されるそうです。
その他にも、信州上田で行われる様々なお祭りや風情あふれる柳町通りをはじめ、八千穂高原の日本一の白樺原生林やつけば小屋でのアユ料理など、信州上田でのこの一年には、すばらしい出会いが沢山ありました。生まれも育ちも信州の私ですが、しばらくぶりの信州は新鮮です。ちょうど、東京銀座に長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」がオープンしましたが、これを機会に多くの人が、長野県そして信州上田の魅力を共有していただければと思います。私も、この一年の出会いに感謝しながら、また新しい出会いを楽しみにしたいと思っています。
※) 「信州上田フィルムコミッション」のホームページ(http://www.ueda-cb.gr.jp/fc/)より