考える力とITツール

真田幸村公出陣ねぶた

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近年のITツールの進化には、目覚ましいものがあります。身近なところではスマートフォンがそうですし、インターネット、クラウドなどのネットワーク環境もずいぶんと便利になりました。このコラムで取り上げてきた「考える力」も、こうしたITツールと組み合わせることによって、さらに強めることができるのです。 

スマートフォンには、カメラと連動した便利なアプリが数多く出回っています。スーパーなどでもらってきたレシートの写真を撮るだけで家計簿が作れるアプリなど、一昔前のコンピュータでは、とてもそんな芸当はできませんでした。WordExcelのテンプレートも、小規模なビジネスではそのまま使えそうなものもあります。また、PowerPointSmartArtグラフィックには、階層、手順やマトリクスなどの構造を表現するための様々な図形が用意されています。これらは、プレゼングラフを作る際にとても便利なものですが、私たちがものごとを考える際のフレームワークとしても使うことができます。また、インターネットは、巨大な知識・情報バンクとして、私たちが考えを進める際に活用できることは言うまでもありません。

 これらはほんの一例ですが、ITツールを使いこなすことで、私たちの「考える力」や知的生産性は格段に伸ばすことができるのです。もちろん、そのための基盤が私たちの「考える力」であることはいうまでもありません。

 ところが、スマホ中毒やゲーム依存、メールでの言葉の乱れなど、悪い影響が出ている面もあります。残念なことです。スマートフォンを使うことで、かえって大切なものを見失い、ものごとを考えなくなってしまうとしたら、それこそ本末転倒です。知識や情報を手に入れると、それだけでなにか賢くなったような気持ちになってしまいますが、それらを自分なりに消化して初めて、自分の視野を広げ、知恵や価値を生み出すことができるのです。ITツールの進化は、知識や情報の入手を容易にする一方で、そうした誤解や混乱を助長しているのかもしれません。ITツールは道具であって、それらを使いこなすのはあくまでも私たちなのです。

 AppleSteve Jobs氏は、生前、社内でプレゼンテーションツールの使用を禁止していたと聞いたことがあります。プレゼンテーションツールを使うことで、かえって知的生産性が落ちる、というのがその理由だそうです。プレゼンテーションツールが商売道具である私にはたいへん耳の痛い話ですが、彼のシンプルな美意識がそうさせたのかもしれません。彼のプレゼンが卓越していたことはたいへん有名です。彼のプレゼンは、あくまでも商品を前面に出したシンプルなものでした。商品のすばらしさとそこに凝縮されたアイディアを、実際に商品を手に取りながら直接カスタマーに伝える。そのプレゼンが生み出す効果は絶大でした。

 便利なITツールを手に入れた今こそ、そうした道具を使いこなして、私たちの「考える力」や知的生産性を向上させる、またと無いチャンスなのかもしれません。

 

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