下積みの大切さ

今回は、学ぶ意欲や学ぶ姿勢について取り上げたいと思います。  

職人の世界は、すぐれた育成システムである、ということを、以前読んだことがあります。 ご存じのように、職人の世界では、長い下積み生活を強いられます。その間、本来の仕事はやらせてもらえずに、一見意味のないように見える作業が与えられ、ただ師匠の仕事ぶりを見るだけ。もちろん、教えてもらうなどということはありません。

そんな、本来の仕事をやらせてもらえない、という飢餓状態が、弟子の学びの意欲につながっているというのです。師匠の背中から学ぶ、技を盗む、といった自発的に学ぶ姿勢も、このようにして育まれていったのかもしれません。 

その昔、下積みは職人の世界に限らず当たり前のものでしたが、多くの職業がサラリーマン化した今日では、このような下積みは少なくなりました。理不尽な下積みが無くなることは歓迎すべきことですが、その一方で、教えてもらうことが当たり前、といった意識や、形式化してしまった教育など、学びの意欲を弱め、自発的に学ぶ姿勢が希薄になっていることも多く見受けられます。楽をして結果を求める、といった近頃の風潮も、この様な現状に拍車をかけているのかもしれません。

学ぶ意欲や自発的に学ぶ姿勢は、自分づくりには欠かせない、大切なものです。一度身につければ、生涯あなたの味方になり、あなたの可能性を広げてくれるのです。下積みの時間と引き換えに、学びの意欲や自発的に学ぶ姿勢を無くしてしまっているとしたら、それもまた問題なのかもしれません。下積みや苦労することの大切さを見直してみることも、価値のあることなのではないでしょうか。

 

次の文献を参考にさせていただきました。

日本人ビジネスマン 「見せかけの勤勉」の正体        太田 肇 著      (PHP研究所)

 

別所線「まるまどりーむ号」

別所線「まるまどりーむ号」

 

 

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