ヒューマンスキルと考えること

蓮華定院

蓮華定院

先月、高野山に行ってきました。その時、蓮華定院に泊まったのですが、蓮華定院は、真田幸村親子が九度山(高野山の麓)に蟄居していた時代、高野山での宿だったところです。真田家の家紋である六文銭が、至る所にありました。 

今回は、ヒューマンスキルの基本になる、考えることについて考えてみましょう。考えることについて考えるというと、何か妙な気もしますが、後の方の「考える」を「客観化して思考の対象にする」と置き換えれば、分かり易くなるのではないでしょうか。 

私たちは、日頃考えることについてあまり意識することはありません。無意識のうちに考えることを行っているようです。ということは、そもそもあまり考えていない?・・・でも、最近のように商品やサービスの知識化が進み、知的労働が増えてくると、考えることについて、少し真面目に考えてみることが必要なのかもしれません。どうも、いろいろと「考えること」や「アイディア」を出すことが求められていますし、「考える」ことの中身や質が問われてきているようです。 

話をヒューマンスキルに戻しましょう。私は、ヒューマンスキルとして、自分の力で考えることとともに、コミュニケーション力や問題発見・解決力、計画力、メンバーやチームを育成する力などをあげています。それらは、お互いに強めあうものなのですが、とりわけ考える力は他のヒューマンスキルの基盤になる大切なものと言えます。例えば、私たちがコミュニケーションを行う時、その効果を上げるために、相手から様々な情報を得ようとします。相手の反応を見て、自分の言ったことが正しく伝わっているかを判断したり、必要かあれば相手が理解しやすい言葉に置き換えたりします。また、大事な内容であれば、念のために相手に正しく伝わったことを確認することもあるでしょう。これらを瞬時に行う訳ですが、そこには、意識する、しないに関わらず、考える力が働いていることは確かなのです。 

また、問題を解決する場合には、考える力をフルに働かせることが求められます。問題解決がうまくいかないケースの多くは、考えることが足りていないことによるものです。発生した事象をありのままに観察して、問題自体を正しく認識することや、想像力を働かせて問題の根本的な原因や有効な解決策を見つけ出すことにも考える力が必要です。目に見える現象ばかりに気をとられていると、問題解決はうまくいきません。目に見えない力やメカニズムが問題を引き起こしたり、問題の解決を邪魔したりしているのです。問題を解決するためには、このような目に見えない力やメカニズムを見つけ出し、相手にする必要があるのです。 

目に見えないものを相手にするためには、考える力が必要です。私たちは、考える力を身に付けることによって、目に見えないものに手を伸ばすことができるのです。また、米国のある心理学者が、プロとアマチュアの違いをこう言っています。 

「アマチュアは目に見えるものを相手にするが、プロは目に見えないものを相手にしている。」 

考える力を身につけることは、コミュニケーション力や問題解決力などのヒューマンスキルを伸ばすとともに、プロフェッショナルへの道にもつながっているのです。

 

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