なぜ問題を見誤るのか?

雪景色の塩田平

雪景色の塩田平

雪景色と別所線

雪景色と別所線

 

先日の全国的な寒波で、上田も一面の雪景色です。暖冬だっただけに、真冬の寒さが身に沁みます。雪景色の中を走る別所線。元気をもらえるようです。

私たちの身のまわりで起こる様々な問題。多くの方が、そうした問題を解決できたら、と思っていらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今回から問題解決力を高めるヒントについてお話ししてみたいと思います。初回は、問題を見誤らないためのヒントです。

問題を解決することは決して容易なことではありません。以前、「気づきのヒント」でもお話ししましたが、問題解決は最初が肝心なのです。まず、問題から目を背けないで、問題の正体を見極ることが大切です。問題の正体を理解することで、問題は解決への道を進み始めるのです。ところが、その第一歩で躓いて、解決すべき問題を見誤ってしまうことがあります。それでは、どんなに頑張っても問題を解決することはできません。問題を正しく理解することは、一見出来ているようで、実はあまり出来ていないものです。では、どうして問題を見誤ってしまうのでしょうか。

まず第一に、解決すべき問題をよく理解しようとしないで、解決を急いでしまうことがあげられます。問題の原因を探そうとするのはまだ良い方で、往々にして犯人探しに躍起になったり、問題の解決策だけを求めてしまうのです。これでは問題を理解することができないばかりか、問題を見失うことにもなりかねません。職場の上長やお客様から問題解決を急かされていることもあるのでしょうが、そうでなくても、私たちは、問題を解決しようとするとつい急ぎ足になってしまうものです。無意識に問題を避けようとしているのかもしれません。そんなこともあって、問題自体を明らかにすることを疎かにしてしまうのです。

二番目は、予断や思い込みなどのによって、問題をすり替えてしまうことです。どうせ・・・に決まってる、多分・・・だろう、といった具合です。誰にでも多かれ少なかれ先入観や思い込みがあるものです。そんな普段あまり意識していない感情が、問題を正しく理解することを邪魔するのです。そうした感情に流されないで、あくまでも客観的に問題を捉えることが大切です。また、日頃から広い視野を持つことやものごとに囚われない心を育てることも、問題を素直に見ることを促してくれます。

第三に、問題の一部を見て、それを問題の全てと思い込んでしまうことがあげられます。私は、これを「氷山の一角効果」と呼んでいます。氷山は、海上に出ているのは全体の10%で、大半は海の中にあるのだそうです。問題も同様で、目に見えているのはほんの一部だと思った方が良いでしょう。また、実際の場面では、問題についての情報は限られたものしか手に入らないものです。ですから、限られた情報から問題の全体像に迫ることが求められるのです。そのため、あなたのコミュニケーション力や想像力の助けが必要になります。問題は多面性を持っていますから、見る人によって捉え方が違ってきます。ですから、問題の全体像を理解することがとても大切になるです。問題解決とコミュニケーションや想像力などの考える力については、また改めてお話ししたいと思います。

問題自体をよく見ていくと、いくつかの問題が絡み合っていることがあります。その様な場合には、ひとつひとつの問題を解きほぐすことも必要になります。問題はひとつとは限らないのです。また、問題の原因を探しているうちに、実は問題自体が十分理解でていないことに気がつくこともあります。そんな時は、迷わず問題自体を正しく理解することに立ち返ることをお勧めします。原因の究明はその後で良いのです。

問題の正体を理解しようとする過程には、様々な気づきや発見があるものです。これらの気づきや発見も、私たちに問題を解決するための糸口を教えているのです。

次回は、問題の原因を見つけるヒントについてお話ししたいと思います。

 

※気づきのヒント   「問題解決の心」 2015/11/24

 

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