下積みの大切さ

今回は、学ぶ意欲や学ぶ姿勢について取り上げたいと思います。  

職人の世界は、すぐれた育成システムである、ということを、以前読んだことがあります。 ご存じのように、職人の世界では、長い下積み生活を強いられます。その間、本来の仕事はやらせてもらえずに、一見意味のないように見える作業が与えられ、ただ師匠の仕事ぶりを見るだけ。もちろん、教えてもらうなどということはありません。

そんな、本来の仕事をやらせてもらえない、という飢餓状態が、弟子の学びの意欲につながっているというのです。師匠の背中から学ぶ、技を盗む、といった自発的に学ぶ姿勢も、このようにして育まれていったのかもしれません。 

その昔、下積みは職人の世界に限らず当たり前のものでしたが、多くの職業がサラリーマン化した今日では、このような下積みは少なくなりました。理不尽な下積みが無くなることは歓迎すべきことですが、その一方で、教えてもらうことが当たり前、といった意識や、形式化してしまった教育など、学びの意欲を弱め、自発的に学ぶ姿勢が希薄になっていることも多く見受けられます。楽をして結果を求める、といった近頃の風潮も、この様な現状に拍車をかけているのかもしれません。

学ぶ意欲や自発的に学ぶ姿勢は、自分づくりには欠かせない、大切なものです。一度身につければ、生涯あなたの味方になり、あなたの可能性を広げてくれるのです。下積みの時間と引き換えに、学びの意欲や自発的に学ぶ姿勢を無くしてしまっているとしたら、それもまた問題なのかもしれません。下積みや苦労することの大切さを見直してみることも、価値のあることなのではないでしょうか。

 

次の文献を参考にさせていただきました。

日本人ビジネスマン 「見せかけの勤勉」の正体        太田 肇 著      (PHP研究所)

 

別所線「まるまどりーむ号」

別所線「まるまどりーむ号」

 

 

「気づきのヒント」はじめます。

2014年初日の出

2014年初日の出

新しい年、2014年が始まりました。 一年の始まりにあたって、新しいことに取り組もう、新しいスキルを学ぼうと目標を立てられた方もたくさんいらっしゃることと思います。

実は、皆さんのまわりにも、「学びの機会」はたくさんあるのです。このページでは、そうした「学びの機会」に気づくこと、見つけることのお手伝いになればと、思いつくままにお話しさせていただきたいと思っています。皆さんの自分づくりにいくらかでも参考になれば幸いに思います。

時代は、人々の力を求めています。複雑化し、変わり続ける経済や社会、そして多様化した人々のニーズに対応することを求められるビジネスの現場では、ひとりひとりの知恵やアイディア、そしてそれらを束ねてチームの力を生み出すリーダーの力が必要なのです。

一方で、自分づくりには時間が必要です。急いでも、なかなか思うようにはいかないものです。どんなに立派で正しいことであっても、他人から教えられただけでは身につきません。どのような知識やスキルでも、皆さんの身の回りで起こっている実際の問題や課題を解決することによってはじめて、あなたの身になり、あなたを助ける力に変えることができるのではないでしょうか。

気づきや発見を大切にして、ひとつひとつ積み上げること、そして実際に試してみること、これらを繰り返すことで、本物のスキルや自信につながっていくと思うのです。そして、ちょっとした勇気と結びつくことで、成果につながっていくのかもしれません。

自分を大切にし、自分を信じて、一歩一歩自分の道を作っていく。そのことが、あなたのまわりの人々の幸せにつながっていく。皆様にとって、そんな素敵な一年になりますよう祈念しながら・・・