ヒューマンスキルが知恵を生む
自立した人づくり
人づくりからチーム・組織の活性化へ
ヒューマンスキルが知恵を生む
私たちは、学校教育で様々なことを学んできました。けれども、学校で学んだことが、社会に出てからそのまま生かせるわけではありません。
例えば、学校では、いつも正解がある問題の解き方を学びました。問題には正解があるもの、と考えることが身についてしまいがちです。ところが、社会では、正解のない問題や答えがいくつもあることが当たり前です。社会では、答えのない問題を解くこと、より良い答えを見つけ出すことが求められるのです。
また、業務知識や専門知識は豊富なのに、なかなか成果があげられない、目標が達成できない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん、達成しようとしている目標が高すぎるのかもしれません。
でも、こうした悩みの根っこには、知識と知恵の問題があるのかもしれません。成果を出すことや目標を達成するためには、いくら知識を身につけても、それだけで十分とは言えません。様々な困難に立ち向かい、そのなかから問題や課題を見つけ出し、関係する人たちを巻き込んで、これらの問題を解決する、課題を達成する、といった様々な知恵を出すことが求められるのです。
このような知恵を生み出すために必要になるものを、ヒューマンスキルと呼びます。ヒューマンスキルを身につけることによって、あなたは、あなたが持っている業務知識や専門知識を今までの何倍も生かすことができるでしょう。多少乱暴かもしれませんが、これらを表すと次のようになります。
知恵 = 業務知識、専門知識 × ヒューマンスキル
経済のグローバル化が進み、商品やサービスの知識化が加速する現在において、ビジネスの世界で成功するために、知恵を出すこと、すなわちヒューマンスキルの果たす役割りが、ますます重要になっているのです。
ヒューマンスキルは、人それぞれが身につけるものですから、一通りではありません。もちろん、個性があってよいのです。
「学校で学んだことを、一切忘れてしまったときになお残っているもの、それこそ教育だ。」
ーアインシュタインー
自立した人づくり
人づくりの基本は、個人が自立(自律)することにある、と考えます。他者に依存せず、自分自身の意見を持って、自分の行動に責任を持つことが、成長するための基盤になるのです。
そのためには、まず、「考える力」を鍛え、強くすることが大切です。自分の目で見て、自分の頭で考え、自分の言葉で話すこと、これらの当たり前のことをしっかり行うことが、自立した自分づくりのための第一歩なのです。
「考える力」を鍛え、自立した皆さんは、日々の仕事の中から多くのことを学び、吸収することができるようになることでしょう。また、自分に必要なスキル(伸びしろ)も見えてくるのかもしれません。
このように、日々の経験から、実践的に、そして自発的に学ぶことが何より大切です。これらのプロセスを通して、皆さんの行動は、より成果と結びつく方向へと変えていけるのです。
若手の社会人の皆さんが、社会人として成功するために求められるヒューマンスキルとしては、以下のものがあげられます。
- 学び、自己を磨く力
- 自分の頭で考え抜く力
- コミュニケーション力
- 問題解決力
- 計画的に物事を進める力
人づくりからチーム・組織の活性化へ
私たちの仕事の多くは、チームで行われるものです。チームを構成するメンバー相互の連携や協力関係がうまくいくかどうかで、チームの成果も大きく変わってくることは、いうまでもありません。
ここで大切な役割を果たすのが、チームのリーダーです。職場のリーダやプロジェクトリーダーの皆さんには、チームの運営をはじめ、様々な知恵を出すことが求められるのです。
もちろん、チームで実際に成果を実現するのはメンバーであり、リーダーがどんなにがんばっても、それで成果が上がるわけではありません。そのかわり、リーダーには、ひとりひとりのメンバーが思う存分活躍でき、成果を出しやすい環境を提供することが求められるのです。
チーム活動は、リーダーとメンバー、そしてメンバー相互のコラボレーションともいえましょう。これらのコラボレーションを促進して、メンバーの力を引き出し、創造的なチーム活動を実現するために、チームリーダーに求められるヒューマンスキルとしては、以下のものがあげられます。
- チームビルディング(チーム作り)
- 論理的思考力
- コミュニケーション力
- チームでの問題解決力・課題達成力
- 集団思考力を高めるファシリテーション
- チームメンバーの育成・指導力
元気で創造的なチームが増えることは、企業や組織全体の活性化にもつながります。一方で、こうしたチーム活動を進めるためには、オープンで風通しのよい企業文化、組織文化が欠かせません。元気で創造的なチームを増やすことと、企業や組織の文化を変革することは、お互いに促進しあうものといえましょう。